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アメリカの不動産手数料

2025年明けましておめでとうございます!

今年は特に待ち遠しかった新年ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?


アメリカでは日本のようなお正月三が日というよう風習はなく、1月1日からスーパー、ジム、ゴルフ場などが通常に営業しています。私も31日は花火の音を聞きながら就寝して、お節料理もなく新年を迎えました。そして翌日からは早くも平日が始まりました。


日本のように師走や年の瀬、お正月の雰囲気を感じながら前年静かに振り返るという習慣はありません。しかし2024年を振りかえると、米国不動産業界にとっては大きな転換期となった年だったと思います。特に注目すべき出来事として、3 月に全米不動産協会 (NAR) が、NARの方針が不動産手数料の高騰を招いたとされるSitzer/Burnett 集団訴訟で、 4 億 1,800 万ドルの和解に達した事が挙げられます。この和解は2024 年 11 月 26 日に連邦裁判所で承認され、不動産業界の慣行に大幅な変化をもたらしました。


これまで売り手が買い手のブローカーの手数料を負担するのが一般的でしたが、この慣行が義務的な報酬とみなされるようになり、 NAR はMultiple Listing Services (MLS) における売り手のブローカーによる買い手ブローカー報酬の表示を廃止しました。この変更は不動産取引の透明性と競争を高める事を目的としているがNARの大義名分です。

説明が遅れましたが、我々のようにブローカーに属して不動産売買を行うエージェントは基本的にNARに所属しています。


この新たな規定により、不動産業者エージェントは物件案内の前に買い手と書面による契約を結ぶ必要があり、その契約の中でエージェントは報酬を明確に開示し、それが交渉可能である事を示す義務が課せられるようになりました。


これにより買い手と売り手への双方に影響が出ています。


買い手の場合: 

物件を見学する前に、エージェント契約であるBuyer Broker Representation Agreementを締結する必要があります。この契約は締結後でも取消が可能であり、買い手にとって大きな縛りはありません。ただし、書面による契約の義務が増えたため、買い手は物件を見せてもらう場合に必ず一旦はその契約書に署名する必要があります。


売り手の場合: 

MLSで買い手のブローカーへの報酬が義務ではなくなりましたが、売り手は買い手ブローカーの報酬条件を交渉することが可能です。また、売り手がより良い買い手を得たい場合、従来通り買い手ブローカー手数料を負担するケースも見られます。さらに、買い手がオファーを出す際にその費用の援助を求めた場合、売り手と買い手との間で交渉ができるようにもなりました。


日本では現在も買い手が、買い手側不動産に手数料の支払うのが一般的と聞いています。そのような慣習から考えると、アメリカで売り手が買い手の不動産の手数料まで負担する仕組みは確かに不思議に映るかもしれません。今回の米国での改訂は、売り手が買い手側の手数料を負担することに異議が唱えられた事が発端となっています。この問題に対し、米国司法省(DOJ :Department of Justice)が介入し、その結果2024年の8月から慣行が全米で改められることになったのです。アメリカでは思ったことをとりあえず口にしてみると意外と希望に添うこともあるかもです。この”言ったもん勝ち”的なアメリカの文化や、訴えることが日常的なアメリカの文化には馴染めませんが、人様の国で安全に生活をさせていただいておりますので、感謝の気持ちでが先ですね。


そんな米国での騒動を見ていると、昔、日本で賃貸契約時に必要だった敷金礼金の文化を思い出しました。賃料の4倍もの金額を入居前に用意し、さらに連帯保証人の署名捺印まで求められるのが当たり前だった時代もありました。確か礼金のひと月分は大家さんへの支払だったと記憶していますが、もしこれがアメリカで行われていたら、賃貸ビジネスは成立しないだろうと改めて思いますます(笑)。今の日本は外国人の増加に伴い、そのような慣習は変化しているのかもしれませんね。よくわかりません。


以上の変更はラスベガス、ネバダ州だけの事ではありませんので、他州にお住まいの方も米国不動産業界に加入しているブローカーにお仕事をお任せする場合は上記のような規則がありますのでご注意ください。


堅苦しいお話はこれまでとして、改めて今年もどうぞよろしくお願い致します。




さて、ラスベガスは今年の冬はどこに行ってしまったのかというくらい、強風もなく晴天で穏やかな日々が続いています。そのため、まだ庭のBougainvilleが元気に花を咲かせています。南カリフォルニア、サンディエゴに住んでいた頃は、ガレージの上にブーゲンビリアを這わせていました。(写真は私の家ではありませんが、イメージとしてこんな感じです)。この花は美しいだけに棘があるのですが、特にサンディエゴレッドの鮮やかな赤は本当に綺麗な赤です。ちなみにラスベガスで咲いているのはピンク色です。


こうして咲いている姿をみるとHappy New Yearの表れの様ですね。




それでは新しい年が皆様にとって素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。







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